亜急性脳卒中患者の前脛骨筋筋電図に対するAFOの長期使用の効果:ランダム化比較試験

もうちょっと詳しく知りたい方は下も読んでみてください。

これは非常に興味のある内容ですよね。

Effect of long-term use of ankle-foot orthoses on tibialis anterior muscle electromyography in patients with sub-acute stroke: A randomized controlled trialObjective: To determine: (i) whether the use of ankle-foot orwww.medicaljournals.se

上記から論文が見れます!

装具を使用することで前脛骨筋(TA)の収縮がどうなるかをまとめた論文です。

装具を使用することでTAを使わなくなり、機能低下が起こるのではないか?とのクリニカルクエスチョンの参考になると思います。

デザイン
単一施設介入
RCT

対象
脳血管障害片麻痺
18歳以上
口頭支持に従うことができる
入院中でリハビリテーションを受けている
AFOの適応

除外基準
重度の失語症
歩行に影響をきたす無視、心臓疾患、肺疾患、整形外科障害のある者

方法
早期装具処方群(1週目に装具を使用)15 名
遅延群(9週目に装具を使用)11名

を1週目、9週目、17週目、26週目でTAを筋電図で評価し比較。

結果
装具ありでは遊脚期のTAの活動を低下させた
装具ありではTA収縮が低下するが、6週間使用しても一般的な筋活動レベルの低下には至らない
早期群と遅延群で26週目時点でのTAの活動は変化がなかった

画像1

考察
早期に作製しても26週目では遅延群と有意差がない。装具を早期に使用することでTAの機能低下を起こし、装具に依存する可能性があると考える方もいるが、その心配は少ない。
装具使用による負の効果はその他の効果を考えると相殺されるのではないか。

限界
症例数が少ない
装具不使用群と比較したいが倫理的に難しい
装具を使用することは使用者、評価者ともに盲目化できない

装具を使用することでやはりTAの収縮は減るようです。それは当然といったら当然でしょうか。早期に使用することでTAが機能低下を起こす心配をして使用しないセラピストがいると思いますが、最終的にはTAの収縮の差はありません。つまり、早期に作製してもいいよということになります。

TA収縮に関しては装具は不利となるかもしれませんが、装具使用により活動量の増加やスピード上昇、エネルギー効率の低下などが改善するのであれば、メリットとデメリットを天秤にかけてどちらを優先するか考えなければなりません。

また、装具使用者はTAに対するトレーニングを行うことが必要かもしれません。お風呂や夜間のトイレなど装具を外した際にTAが効かないと引っかかりなどが起こりやすくなります。裸足歩行やFESなども同時に行って機能低下を最小限に抑える必要がありそうです。

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